「滝」の魅力とはなんでしょうか。滝は、そこにあるだけで、多くの人の目を惹きつけ、格好の観光対象となります。また、ある人は登ったり、打たれたり、崇めたり、調べたり、あるいはただ静かに眺めたり、人それぞれの向き合い方があります。滝は、勢いよく流れる水とそれに打たれる岩、取り囲む生き物など、いわゆる「大自然のチカラ」をじかに感じさせる存在でもあります。
滝には、いろいろな意味で大事な役割がります。自然環境的な側面では、滝の上流と下流とで生態系が違っていたり、上流で湧き出た温泉が流れて滝に珍しいコケが棲みついたり、また、滝が後退することで周辺の地形が大きく変化したりします。観光対象や、写真や絵画の対象とされることも多く、学問的にも、地球科学、生物学、物理学、考古学、歴史学、地理学、芸術学など、さまざまな分野における研究対象となりえます。
しかし実は、滝についてを体系的にまとめた事例はあまりみることがありません。とくに、他の河川地形の研究と比べて、滝の地形学的な研究は不足していると言わざるを得ない状況が、数10年続いています。そこで、ここではまず「地形」としての滝について、その実態を最新の研究成果をもとにまとめていきます。さらに、地形に限らず、より多様な視点で滝を理解するため、歴史資料や伝承なども含め、既存の情報を網羅してゆくことを目指します。
本研究は河川基金により支援されています。
助成番号:2023-5211-034「日本の滝の地理歴史景観にかかわる多層的情報統合基盤の構築」
